第51回善波隧道
(神奈川県)
神奈川県でも指折りの心霊スポットとして知られるこの場所。かつてそのトンネル近くで事故死した青年の霊が今もなお出没し、夜間、走行する車の前に人影が飛び込んで来ると言う!?
山間部の急カーブが多く、常に交通事故の危険性を秘めた秦野と伊勢原の市境。善波峠(ぜんばとうげ)に佇むそのトンネル付近は、昼でさえなお薄暗く、冥府へと引き寄せようとする怨霊が満ち溢れていました。
- 所在地
- 神奈川県伊勢原市善波 国道246旧道 伊勢原市と秦野市の間
- 危険度ランク
- A ★★★★☆
善波隧道(ぜんばすいどう)というのは、神奈川県の丹沢山系に面した秦野盆地、その善波峠(ぜんばとうげ)にある古いトンネルです。別名、旧善波トンネルとも呼ばれ、全長は160メートル弱。国道246号の旧道途上にあって、現在でも通り抜けることができる現役トンネルとなっています。今回もまたトンネル自体が心霊スポットとされている場所を取り上げたわけですが、後述するような条件が重なった場合、この手のロケーションは浮遊霊の溜まり場になりやすいという特性を有します。
なお、ここは神奈川県の地元民であれば必ず知っている有名心霊スポットとも言われているのですが、かつて横浜市内に居住した経験があるにも関わらず、私個人はその名を知りませんでした。もしかしたら県西部に住む人々の間で、局所的に知られているだけなのかもしれません。
ともあれ実際に現地を訪れてみると、問題のトンネルに至る手前あたりから霊的な波動をひしひしと感じました。恐らく丹沢山系から発する地脈のエネルギーが盆地特有の地勢とあいまって、国道を含む一帯に何らかの作用を及ぼしているのだと思われました。加えてトンネルというのはその構造上、どうしても水の気を滞留させやすくなるので、それが強い山の気とあいまって、とくに夜間には極陰(きょくいん)の気が満ち溢れます。つまり、下級霊が滞在しやすい環境になるわけです。 この場所に起きる怪異にはいくつかのパターンがあるのですが、それをまとめると以下の通りです。
- 以前、この場所には私設の看板があった。その文面は『もう死なないで 準一』というもの。昭和40年(1965)の秋、ここで当時17歳の同名青年がバイクの走行中に事故死したことから、遺族が故人の供養と交通安全を願って設置したが、その願いも虚しくかえって事故死者が増えた。
- 夜間に車でトンネルを走り抜ける際、急に路肩から人影が飛び出してくることがある。しかし、慌てて急ブレーキを踏んでも誰もいない。
- バイクに乗った若い男が車と併走してトンネルに入るが、出た時にはすでに姿を消している。一説には、看板が立てられたのもその霊を鎮めるためと言われている。
霊視を終えた上での結論を言いますと、ここは常時、浮遊霊がさまよっているような場所です。霊感が強い方は避けるに越したことはありません。バイク青年の霊こそ見えなかったものの、隙あれば死に引き込もうとする事故死者の霊が外の路上とトンネル内にそれぞれ存在していました。雨が降る深夜のヘッドライト越し、あるいは濃霧の中などでその姿を目撃することもあるかもしれません。