第49回七里殺人の森
(埼玉県)
深夜、不仲の親子が言い争った挙げ句、
息子が父親の首を切り落としたと伝わる、いわくつきの場所。
凄まじい確執の怨念が、亡霊となって今もこの地をさまよう…。
人気のない畑地と水田に取り囲まれた一画に、墓地と大病院に挟まれる形で広がる雑木林。過去にそこで起きたという凄惨な殺人事件は、果たして事実なのか?!
- 所在地
- 埼玉県さいたま市見沼区片柳
- 危険度ランク
- B ★★☆☆☆
このコーナーで言葉を変えながら何度も主張しているのは、心霊スポットと呼ばれる場所の多くは、風水的に不利な要件を備えている、ということです。 その代表例としては、
一般に歴史のある大きな寺院や神社というのは、境内もしくはその近辺のエリアに龍穴(りゅうけつ)と呼ばれる大地の気の噴き出し口を兼ね備えていることが多く、そこから生じる強力な浄化パワーゆえに厳かな聖地として認められ、参詣者を集めて発展していくわけです。
- 何らかの原因で土地本来のエネルギーが衰弱している。
- 地脈の錯綜などの自然的な条件、もしくは高圧鉄塔などの人工物が発する障害よって周辺の地磁気に狂いが生じている。
- 周域に湖沼や河川などが多く、常に過剰な水の気が滞留している。
といったことが挙げられます。
こうした地勢的に不利な条件の上に、人間が発するネガティブな念波動などが重なると、霊的な怪異現象が極めて発生しやすくなります。逆に過去の歴史の流れの中で凄惨な殺人事件や人間の大量死が起きた場所であっても、風水的な条件に瑕疵がなければこうしたことは起こりにくいのです。
今回、取り上げた「七里殺人の森」は、埼玉県内ではわりと有名な心霊スポットのひとつですが、もちろんこんな物騒な地名が実在しているわけではありません。現在のさいたま市見沼区にある無名の雑木林を、地元の心霊マニアや廃墟マニアたちが勝手にそう命名しているだけです。ここには稲荷神社の祠も建っており、かつては雑木林全体が鎮守の森であったことが推測できます。
かつて父親と息子がこの祠の前で口論となり、最後は逆上した息子の方が父の首をナタで切断、自分も発狂して自殺してしまった事件以来、首のない父親の霊、あるいは狂死した息子の霊が出る…と、そんなまことしやかな噂話が伝わっており、その事件にちなんで「七里殺人の森」と呼ばれるようになったのだとか。しかし、そのような凶悪事件が起きたという公的な記録はなく、少なくともこれについては事実無根のデマです。
それでもなおこの雑木林で心霊現象に遭遇したという人は多く、実際に土地の気を検分してみると、ご多分に漏れず水のエネルギーが過剰に放出されている土地柄であることが分かりました。
そもそも見沼という地名は、かつてさいたま市全域から川口市にかけて広がっていた巨大な湖沼地帯の古名から採られたものだそうです。元が沼地ですから、埋め立てられた現在も水の波動が強いのは当たり前。恐らくこの雑木林の直下にも陰の気を強く発する水脈があると予測できます。そうした場所ではとくに因縁の元となるような事象が起きなくても、不成仏霊を中心とした下級霊体が集まる傾向が見られるのです。
なお近年、この雑木林と隣接して新たに墓苑が造成され、心霊スポットとしての雰囲気がますます濃くなりましたが、実際の霊的な危険性の面ではさほどの心配はありません。