第38回泉の広場
(大阪府)
何の変哲もない地下街の広場に渦巻く謎の霊気。
ネット掲示板で話題となった、
赤い服の女伝説の真相とは……
前回、前々回と2回にわたり、都心の隠れた心霊スポットをご紹介しましたが、今回は東京から大阪に飛び、梅田地下街に伝わる恐怖の都市伝説の真相を探りました。大阪在住の方なら誰でも知っている、泉の広場に現れる女の霊の話です。
- 所在地
- 大阪府大阪市曾根崎2-1529 ホワイティうめだ内イーストモール扇町
- 危険度ランク
- B+ ★★★☆☆
阪急梅田駅から伸びる地下街の一画に、泉の広場というスペースがあります。扇町方面での待ち合わせなどによく使われるスポットで、その名の通り、地下街には珍しい円形の噴水が設えられた広場です。この場所に関してかなり以前から都市伝説めいた怪異が伝わっており、ネットの某巨大掲示板のオカルト板で話題になったこともあります。そのあらましは以下の通りです。
- 泉の広場付近に佇んでいると、赤い服装に身を包んだ髪の長い女の姿が目に留まる。すると先方もこちらの視線にすぐ気づき、いきなり目の前に駆け寄ってきて度肝を抜かれる。美しい容貌に不釣り合いな不気味な笑みを浮かべ、さらに両眼の瞳は真っ黒で白目がない。この異様な女に出会うと、数日内に命に関わるような不幸に見舞われる……。
今でこそ改修されて明るくなっているものの、かつてこの広場付近には薄暗くて重苦しい空気が漂っていて、とくに夜遅くには不法滞在の外国人売春婦が客引きをするような、治安面でもあまり芳しくないスペースだったそうです。そうした場の雰囲気に感化されて、上記のような不気味な逸話が創り上げられたと推察されます。
その後、地下街の改修に伴って広場は一新され、場所柄から人通りも常に絶えず、今ではかつての心霊スポットの面影は感じられません。しかしつい先日、関西方面での仕事のついでに現地へ赴いて霊視してみたところ、件の都市伝説があながちデタラメではなかったことに気づかされました。
勤め帰りのサラリーマンやOLで通路が混雑する夕刻に現地に着き、その人波に逆らって歩き始めてすぐ、沈滞した霊気の存在を感知しました。同時にかなりの数の浮遊霊や地縛霊も確認。都市部というのは膨大な人間の念が堆積しているので、浮遊している霊体の数は概して多いものなのですが、その分を差し引いたとしても少々、異常と思われる遭遇率でした。一帯を支配する霊気の源は広場の噴水で、ここから発生している水の気が霊体を引き寄せて活性させているのです。さらに日光が当たらないため、大量の水気が常時、浄化されないままに充満し続ける形となってしまっています。地下空間に噴水を作るというのは発想としては斬新だと思いますが、風水的な面から考えると決して勧められることではありません。
私が確認した霊体の中にはなぜか女性の霊が多く、上下が赤の派手なスカートスーツを着た人工的な想念霊とも遭遇しました。都市伝説が生み出した霊なのか、それとも元から居続けている存在なのかは不明です。生きている人間に祟るほどの強い邪気は発していませんでしたが、もし霊感が強いと何らかの悪影響を受ける恐れもあります。例えば普段から金縛りに遭いやすいなどという人は、できるだけこの場所は避けた方が賢明です。