第16回須花トンネル
(栃木県)
新旧3つのトンネルのうち
本当に霊が出る場所はただひとつ
今回、女性霊能者が調査したのは栃木県足利市の有名心霊スポット~須花トンネル。
廃道となった2本の旧トンネルを含め、3本のトンネル群全てに霊が出ると言われている場所です。
- 所在地
- 栃木県足利市名草中町県道208号線、田沼町から足利市へ向かって走る途上
- 危険度ランク
- A ★★★★☆
県道208号飛駒足利線にある須花(すばな)トンネルは、足利市と佐野市を結ぶ全長152メートルの短いトンネルです。現在の須花トンネルは昭和トンネルとも呼ばれており、他にもすでに廃道となった明治トンネル、大正トンネルが存在しています。とくにこのうちの明治トンネルは、明治時代中期におよそ6年あまりを費やして作られた手掘り工事の労作で、栃木県内の史跡として扱われています。落石の危険があるため内部に入ることはできませんが、外から穴の内部を窺い見ることは可能です。大正6年に完成した旧須花トンネルも同様で、入り口は塞がれていますが、明るい日中であれば煉瓦貼りになった内部の様子を金網越しに見ることができます。
地元の噂によれば、これら3本のトンネルの全てに霊が出没するとのこと。昭和トンネルには老人と中年女性の霊、大正トンネルには子供を連れた若い女性の霊、そして明治トンネルには工事当時に落盤事故で亡くなった作業員たちの霊が出ると聞きました。
私はまず車で昭和トンネルを通り抜けてみたのですが、霊体を確認することはできませんでした。場所から発せられる霊気自体も微弱で、たとえ多少の霊感があったとしても可視化した霊が見えるとは思えませんでした。
その後、車を降りて徒歩で大正トンネルと明治トンネルを見て回りました。明治トンネルの方は完全な手掘りということもあって、隧道というよりはむしろ洞窟に近い風貌をさらしていました。外見こそ不気味でしたが、こちらの霊気もさほど強くはなく、残念ながら当時の作業員の霊に遭遇することはありませんでした。恐らくですが、工事の際にここで事故死者が出たというのは事実ではないものと思われます。少なくとも私の過去透視では、このトンネル内で亡くなった人は皆無でした
というわけで、昭和と明治の須花トンネルについてはシロという結論に達したわけですが、問題なのは大正トンネルです。ここに霊がいることはその場に行ってすぐに分かりました。入り口を塞ぐ低い木の柵のすぐ脇に、小さな女の子の手を引いた和服姿の女性が佇んでいたのです。その霊は私の存在に気付くと恨めしげな上目遣いで、トンネルの内部を指差しました。
「向こう側へ通り抜けたいの。でも邪魔されて行けないの。何とかして」女性の霊にそう請われてトンネルの暗がりを覗いてみると、そこかしこに邪霊や浮遊霊の類が渦巻いているのが見えました。周囲の地勢の関係で、トンネル内が様々な霊の滞留場所となっていたのです。また子連れの霊自体も半世紀近く前に母子心中をした不成仏霊で、邪念の磁場に引き寄せられる形で居着いてしまったようでした。恨みの波動に押し出される形で、私は早々にその場を離れました。3本のトンネルのうち、ここだけは本当に危険です!